2011年07月05日

第8回…種牡馬カジノドライヴの憂鬱


3回連続で書いたドイツ血統特集もとりま小休止。さあ次何取り上げようか、と考えてたら飛び込んできた、カジノドライヴ引退の報。

これだ。


ということで、彼の種牡馬入りを記念し、エーピーインディが嫌いな俺が、エーピーインディ系について書きたい。



カジノドライヴ(父マインシャフト、母ベターザンオナー、母父デピュティミニスター、母母父ブラッシンググルーム)


半兄にベルモントステークスを勝ったジャジル、半姉が牝馬ながらベルモントステークスを制した怪物牝馬ラグストゥリッチズ。半弟にBCマラソンを勝ったマンオブアイロン。超良血ってやつですね、いわゆる。

マインシャフトはエーピーインディ直仔で、アメリカG1を4勝。古馬になって開花した馬。


とりあえず、カジノドライヴの種牡馬入りの問題点を列挙していこう。


1.エーピーインディは時代遅れ
2.父母父にミスタープロスペクター
3.母父デピュティミニスター
4.母母父ブラッシンググルーム
5.父の母系の奥にリボー


1に関しては、1人1人考えは違うかもしれない。ただ、俺はエーピーインディ系が嫌い。鹿がよく生まれるっていうのもある。
エーピーインディは、バックパサーやボールドルーラーの入った母系にシアトルスルー。アメリカダート血統の凝縮。
最近だと父スティーヴンガットイーヴンのコスモファントム、父タピットのテスタマッタがいるけど、いかにもダート馬になる血統背景と、高速化したダートの時に役に立つくらいで需要が無い。
昔だとシンボリインディを出してるけど、もう芝馬は出せないでしょう。日本はサンデーの帝国になった。


2.は1と関連させて考えると、アメリカ血統だらけのエーピーインディにミスプロ入れたら、当然体が硬くなってダートしか走れなくなる。しかもミスプロクロスが近いところでできる分、配合が限られる。サンデー牝馬を付けても、たぶん主戦場はダート。


3.デピュティミニスター自体は日本にマッチしてる。ただ、クロフネとかカネヒキリを見て分かるように、パワー優先のタイプ。そんな種牡馬を父に持つ繁殖牝馬をマインシャフトに付けたら、そりゃダート馬になるのは当然。


4.母母父という割と近いところにいるブラッシンググルームのおかげで、産駒の当たり外れは相当大きいはず。セクレタリアトやナスルーラの血を考えても、難しい気性の仔が多いぜたぶん。しかも母父サンデーなんかの馬付けたら…気性が荒過ぎてせん馬大量発生までありえる。


5.リボー特有の鈍重さを消せてるとは思えない。スピード不足。芝に対応できるはずがないかと。



という感じでしょうね。体さばきが硬い馬が多そう。いくら社台グループがバックアップするからといって、そんなには肩入れしないはず。しても意味がない。サンデー牝馬付けるならもっち他の種馬いるでしょうよ。



早めの結論。とにかくアメリカ血統の凝縮体。産駒もダートしか走れない仔ばかり出てくるはず。気性が難しいし、産駒は走らない産駒がかなり出てきそう。スピードは基本的に足りない仔が多いけど、湿り気のあるダートで先行して、というのが好走パターンになるはず。



で、もうひとつ。

このカジノドライヴの牝系は、アメリカというか、世界でも超名門で通っている、Best in Showの牝系にあたる。トライマイベストやエルグランセニョール、フサイチパンドラを輩出している牝系。そういう意味も込めて、カジノドライヴは超良血馬。ただ、どちらかというと、繁殖牝馬となった半姉ラグストゥリッチズのほうが、繁殖として有望だと思う。

エーピーインディは母系に入ればいい仕事する。ラグストゥリッチズは今年、キングマンボ産駒の名マイラー、ヘンリーザナヴィゲーターの仔を持ってるらしく。この母系にキングマンボをいれてきましたよ。これはどういうタイプに成長するか、ちょっと楽しみな仔。




そんな感じの第8回。第9回は、ただのデブじゃないことを証明したいということで、クリーンでいきましょうか。
posted by ふみお。 at 23:34| Comment(0) | 種牡馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月01日

第4回…種牡馬タップダンスシチーの傾向は


4回目も種牡馬。前回はグラスワンダーについて取り上げたけど、今回はタップダンスシチーでもやろうかと思う。5回目からはまた現役馬で。

タップダンスシチー自体は種牡馬引退したけど、残された産駒の可能性を考えたい。



タップダンスシチー(父プレザントタップ、母オールダンス、母父ノーザンダンサー、母母父Bold Hour)


現役時代はジャパンカップの逃走劇などG1を2勝。金鯱賞3連覇。持続力を生かす逃げで後続に脚を使わせる、いわゆるサンデーキラーだった。

父はリボー系のプレザントタップ。母の妹にケンタッキーダービーを牝馬ながら制し、孫にチアフルスマイルがいるウイニングカラーズ。母系はなかなか活躍馬が多くて、3代母Miss Carmieからは、4代後にあたるディープスカイや、5代後にあたるリーチザクラウンが出てる母系。ディープスカイの血統も深いな。今度取り上げよう。


リボー系については前回書いたように、爆発力を伝える。ただ、父系がリボーだと、産駒にバラつきが大きい。日本の父リボー系の馬だとバンブーアトラスがいるが、バンブーアトラスもバンブービギンという大物を出しただけ。安定感には欠けた。日本にはデビットジュニアがいるけど、あれも当たりが出ない。とにかく安定感を欠く。

リボー系は母系に入らないと信用できない。タイトスポットのように、母父で結果を出したリボー系がいるように。

基本的にリボーは鈍重な産駒が多く、芝だと対応できないパターンばかり。ダートでも中距離から長距離が守備範囲になってくる。これはタップの父であるプレザントタップも似たような傾向を示していることから、ある程度推測可能。

タップダンスシチー自身、3歳時に京都新聞杯3着があるように、決して仕上がりが遅いわけではないと思う。けど、リボー系は総じて遅咲き。しかも咲かないパターンばかりで、咲かせるには、繁殖牝馬の母系がかなりスピード色が強くないと厳しい。


種牡馬タップダンスシチー最大の弱点は、母父がノーザンダンサーという点だと思う。その影響で、繁殖牝馬は主にサンデー系かミスプロ系になる。ただ、日高で種付けされていることもあり、サンデー系の繁殖牝馬よりもミスプロ系繁殖牝馬が多いのは仕方のないこと。サンデー系の繁殖牝馬でも、父系がリボーのタップを付けると気性の荒い子が出てくる場合が多いはず。

もともとタップ自体ガチガチのアメリカ血統馬。そこにミスプロ注入してもダートしか走れん。

しかも開花が遅いと来たもんで。そりゃなかなか種付け頭数増えないよな…


今のところ、稼ぎ頭がアンティフリーズ。やっぱ牝馬なのよね。牝馬じゃないと軽さが出てこない。しかも、アンティフリーズの場合は母母がシルバーレーン。つまり、ブラックホークが伯父さんで、ピンクカメオが叔母さんにあたる。あの一族のスピードが注入されたからこそ、準オープンの芝で出世できている。


が、日高にそんな良質なスピード血統を持つ馬は少なく。今の1歳にアンティフリーズの全弟がいる。牡馬だけど、これが最後の望みと言っていい気がする。

ディアイリスみたいな馬もいるけど、あれも牝馬。牡馬だとそうそう当たりは出ない。そこまでいい牝系持ってる牡馬がいないし、いくらタップとはいえ、5歳、6歳での開花は相当厳しいだろう。


仮に牡馬で活躍馬が出たとしても、相当重いタイプだろうから、ダート2400あってもまだ足りないという仔なのは間違いない。母父にトニービンより重い種牡馬がいた場合、走ればダート4000mがちょうどよく、あとはみんな未勝利で引退でしょうね。悲しいけど、それが日本の競馬のルールなわけで。なぜサントメジャーが走ったのか分からん。


ただ、ひとつだけタップの可能性があるところが。さっき言ったように、リボー系は母系に入って良さを出す。それを考えれば、母父タップダンスシチーで父が軽いサンデーならば走る子が出てもおかしくはない。ただ、当たり外れはもちろん大きい。


もし、父がディープスカイで、母父タップダンスシチーなら、名牝Miss Carmieの5×4、ボールドルーラーやノーザンダンサーのクロスもできて、グロースタークとヒズマジェスティの全兄弟クロスまで完成する鬼っぷり。大物が出てくるパターンだけど、ロバがいっぱい生まれるパターンでもある。



結論。走る馬は牝馬から。牡馬に出ても、ダート4000m以上しか走れない馬続出。正直当たりがでる可能性は低いが、出るなら母父サンデー系。基本ダート。母父に入って面白い馬を出す可能性あり。ディープスカイとの配合で爆発する可能性も?


以上、タップダンスシチーの考察終了。次回は…ドイツ関連の馬で。
posted by ふみお。 at 20:30| Comment(0) | 種牡馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月30日

第3回…種牡馬グラスワンダーの考察


ということで、3回目。色々考えると、書きたいことも多くなるもので。第3回目にして初の種馬特集ですが、まあのんびり書いていこうかなと。

特集するのはグラスワンダー。産駒。先週爆発してたし、ちょっと本格的に考えてみたい。



グラスワンダー(父シルヴァーホーク、母アメリフローラ、母父ダンジグ、母母父ヒズマジェスティ)


まあ楽しい血統表ですね。グラス自身は有馬2連覇などG1を4勝。そのうち3勝が非根幹距離。通算9勝したけど、そのうち8勝が非根幹距離。アーネストリーの勝利にも納得。

血統を見れば、この成績もちょっと納得できる。父シルヴァーホークからのロベルトで持続力を生かし、母父ダンジグでそこにスピードを補完、母母父ヒズマジェスティで爆発力を補強。簡単に言えばこんなところなんだと思う。


問題はその産駒。

牝馬はマイラーに出るパターンが多くて特に書くことはないけど、牡馬は面白い。母父次第でどんな産駒でも生まれる。

『グラスワンダー産駒と言えば?』と聞かれたら、スクリーンヒーロー、アーネストリー、サクラメガワンダー、マイネルスケルツィ、セイウンワンダー、オースミグラスワンetc…

ほんと、バラエティに富んでる。なぜにそうなるのかを、数頭例に出して考えたい。


まずはパターンA。中距離型に出た場合。

母父サンデー、母父トニービンのグラスの仔に多く見られるパターン。早いうちから走るけど、成長力があり、中距離で持続力勝負をするタイプ。アーネストリーやサクラメガワンダーのイメージ。
サンデーの場合は柔らかさとスピードを補充する分、中距離型に出るんだと思う。ただ、同じ母父サンデーでも、スクリーンヒーローとメガワンダーは母母父ノーザンテースト。セイウンワンダーは母母父リアルシャダイ。ここでパターンが別れる。パターンA1とパターンA2としておこうか。

パターンA1はとにかく成長力がある。スクリーン、メガワンダーに共通する母母父ノーザンテーストが更に成長力を強化する。父系のロベルトが原因なんだろうけど、叩いていって強さが生まれてくるイメージ。

パターンA2は距離適性がA1より幅広いタイプ。セイウンワンダーがその典型例。母母父リアルシャダイなのに、パターンA共通の早いうちから走る特性から2歳G1制覇。その後、距離が長いと言われた菊花賞で3着。プリーズアップセールに出されるくらい仕上がりが早いのに。単なるマイラーではなかった。


セイウンワンダーの場合、母母父リアルシャダイが距離をこなす一因だろうけど、それ以外にももう一つ。
ロベルト系にヒズマジェスティ、つまりリボー産駒を入れたパターンとして、ブライアンズタイムが挙げられる。ブライアンズタイムは父ロベルト、母父グロースターク。グロースタークはリボーの仔で、ヒズマジェスティの全兄。

つまり、グラスワンダーとブライアンズタイムは、ダンジグが入ってるか入ってないかの違いで、なかなか似ている血統構成ってわけ。

ブライアンズタイム産駒は菊花賞で強かったけど、グラスワンダーも京都3000くらいはこなせるはず。マイルG1を勝ったグラスワンダー産駒でも母母父リアルシャダイなら楽に京都3000をこなせるわなそりゃあ。

グラスワンダーとブライアンズタイム、どちらもロベルト系ということもあり、叩いてよくなる。セイウンワンダーがいい例。

ヒズマジェスティ、グロースタークの兄弟の父リボーは、大レースでの爆発力を伝える。今年のダービーのうまゼミで、クレスコグランドを推奨した理由の一つに、リボーの多重クロスを持っているというのがあった。この血を3代前くらいまでに持ってる馬は、ペースの緩いレースでコロっと負けるのに、厳しいラップのレースで良さを発揮する。リボーを持ってるブライアンズタイムやマンハッタンカフェ産駒にも見られる傾向で、スクリーンヒーローの秋の爆発や、アーネストリーの宝塚記念を見てくれれば分かるはずだ。



ここにパターンA3というものを加えたい。より持続力があるタイプ。持続力に傾き過ぎて一瞬の反応が鈍く、なかなか勝ち切れないタイプが多い。先週500万特別を勝った3歳馬シゲルリジチョウがこのパターンにあたる。

シゲルリジチョウは、グラスワンダーのイメージをブチ壊す馬に成長する…かもしれない。

母系を見ると、母父サドラーズウェルズ、母母父ダルシャーン、母母母父ブラッシンググルームと、まあよくもこんなスタミナ血統入れましたねと思っちゃうくらい重い。ただ、母の弟がサニングデール。つまり、シゲルリジチョウは叔父がサニングデールなんだわ。

サニングデールは父ウォーニングの影響を受けてああなったと推測できるけど、この本格的な重めのヨーロッパ牝系にグラスワンダーとか、シゲルリジチョウは明らかにステイヤーだろうと。

シゲルリジチョウはなぜか小倉の芝1200でデビューとかわけのわからないことしてるけど、距離が延びて、叩かれて叩かれて上昇してる。しかも、マイルから非根幹の1800に距離延長した時に未勝利を勝って、さらに非根幹の2200に延長された香住特別で2連勝。いかにもグラスワンダー産駒。そしてこの母系が出てる。


いやね、まだ500万突破したばかりだし、シゲルだしw、あまり大きなことは言えないけど、シゲル軍団の中でもこれはかなり出世するほうよ。今後馬券で追いかけていたほうがいい。スクリーンヒーローあたりがそうだけど、『いや、あれ弱いべ』って言ってた馬が、いつの間にか大きいとこ勝てるのがグラスワンダー。アルゼンチン共和国杯あたりの非根幹長距離あたりまでいけば、面白いレースをしてくれる気がする。

他にも、母父エリシオで長距離型に出たコスモヘレノスなど、母父次第でステイヤーズステークスまで勝てる種牡馬が、グラスワンダーなのかもしれない。




さて、今までパターンA1、2、3を紹介したけど、パターンBも存在するわけで。その代表がマイネルスケルツィや、マイネルレーニア。今まで紹介したグラスワンダー産駒とは一線を画してる。

マイネルレーニアの母父はサクラユタカオー、マイネルスケルツィの母父はマキャヴェリアン。どちらもスタミナよりもスピードを伝えるタイプの種馬。母系がスピード血統だと、グラスワンダーの母父ダンジグが出たタイプになる。つまり、マイネルレーニアみたいに前々で押し切るタイプになるということ。

マイネルレーニアは通算6勝したけど、そのうち5勝が非根幹距離。いかにもグラスワンダーの仔。スケルツィも斬れるというか、前で粘るタイプだった。

このように、母父を見ればグラスワンダーの距離適性はだいたい分かる。子が1200から3600の重賞制してる種牡馬は珍しい。サンデーよりも距離適性は広い。それは母父や母系で決まる。



もうひとつ例を出すと、母父にグラスワンダーが入った場合。まだ例が少なすぎてどうこう言えないけど、父としての傾向から考えれば、父に何を持ってくるかで母父グラスワンダーの距離適性は変わってくるはず。

フロムクローバーズの場合は1400からマイルあたりの馬になるでしょう。まあ母フェリシアでもあるし。



結論。グラスワンダーの牡馬は、母父で距離適性を読むべし。その気になればステイヤーも誕生する。基本的に狙い目は非根幹。歳を重ねるごとにパワーアップしていく


次回はタップダンスシチー産駒でもやるかなw
posted by ふみお。 at 20:58| Comment(0) | 種牡馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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