2011年10月04日

第15回…デインドリーム


本当はジョーカプチーノを第15回でやる予定でしたが、凱旋門賞をデインドリームが勝ってしまったということで、急遽。


今年のヨーロッパの血統地図がちょっとおかしなことになっている。それを中心に、血統から見る凱旋門賞と、今後のヨーロッパ競馬について少し書いていこうと思う。




第15回デインドリーム牝3(父ロミタス、母デインドロップ、母父デインヒル、母母父ハイトップ)


今年、3歳で凱旋門賞を制したデインドリーム。シュタルケが勝ってしまったw

デインドリームの父はロミタス。エリ女で4着だったシャラナヤと同じ。ヨーロッパの大レースを勝つためにはここまでしなきゃいけないのかというくらい重かったシャラナヤと比べると、一段階くらい軽い。それでも重いんだけど。

シャラナヤの場合はブラッシンググルーム系ナシュワン(バゴの父)に母父ダルシャーンという超ヨーロピアンだったけど、デインドリームは母父がデインヒル。よりスピードが強調されたように感じる。ただ、デインヒルは代を経ると距離をこなすし、母系の底にヴィミーがいたり異系がいたりと、シャレた配合。異系の牝系を基礎としているところはシャラナヤに似てる。


まずこの配合を語る上で、ロミタスという種馬について知ることか最初。1988年生まれのロミタスはバーデン大賞などを勝ってる。父がニジンスキー系ニニスキ、母父がドイツ血統ズルムー。ロミタスは母系がドイツ牝系にあたる。

ニニスキは父ニジンスキー×母父トムロルフ、つまりニジンスキー×リボーという重すぎて潰れそうな配合。自身も3000mが短いのではというくらいのステイヤーだった。母系に入ると良質なスタミナを伝えるけど、父系ではスピード不足が目立つ。

そんなニニスキに、時計勝負にも対応可能なドイツ血統であるズルムーの肌馬をつけて誕生したのがロミタス。ロミタスには時計勝負にも対応できる下地があるっちゃある。ただ、ここから高速決着に対応するためには、牡馬ではダメだし、牝馬に出ても母系にスピード豊かな配合、そして異系の牝系を下地にする必要かある。それがシャラナヤであり、デインドリームなのだろう。


デインドリームの場合、母父がスピード豊富なデインヒル。デインヒルは母父がリボー系ヒズマジェスティだから、上質な底力を伝える。デインドリームはリボーの5×5。普通この配合にリボークロス持ってれば牝馬でも鈍重な面があるけど、そこをナタルマの5×5×5というクロスで補うパターン。これがデインドリーム最大のポイントか。デインドリームがロンシャンで2分24秒台決着に対応できたのは、斤量もあるけれど、母父がデインヒルだったから。母父がもし他の馬だったらナタルマで中和しきれないところだった。


ただ、今回のロンシャンの馬場は衝撃的だった。

今年の夏のロンシャンは稍重でも2分26秒台が出たように、時計が速い。当日のフォレ賞(1400)で1分18秒台、2歳G1ジャン・リュック・ラガルデール賞で19秒台が出てるように、超高速馬場。

今年の凱旋門賞にはワークフォースやソーユーシンク、トレジャービーチ、ガリコヴァ、そしてリライアブルマンと柔らかい馬場巧者が多かっただけに、26秒台が出せていたメアンドルでも通用すると考えてたけど、予想以上に馬場が速かった。ロンシャンで24秒台が出るとはさすがに誰も思わないでしょうよw

そして今回の凱旋門賞は、サラフィナが人気になったことも大きかった。そうなると当然ソーユーシンクが動かない。だと前のマークが緩くなる。そして高速馬場で前が止まらない。ラビットが2着に逃げ粘ってしまう冗談。日本とはまた質の違う高速馬場だったと思う。


この日のジャン・リュック・ラガルデール賞を勝ったのがハットトリック産駒のダビルシム。この手の高速馬場になるとサンデーは異常に強い。

となると、サンデー系種牡馬が更に活躍しやすい状況が整ったと言える。ハットトリックの場合母父がリボー系ロストコードで底力に優れていることからG1であれだけの活躍が出来ているけど、母父ブライアンズタイムのサンデー系…たとえばサンライズペガサスなら似たような状況を作れる。フランスに輸出すればいいのにw



今年、ヨーロッパではフランケルが活躍した。日本ではこの馬だけしか注目されてないけど、問題なのは、今年のヨーロッパのギニー(1600)の勝ち馬たち。

・イギリス2000ギニー
勝ち馬フランケル(父ガリレオ、母父デインヒル)

・アイルランド2000ギニー
勝ち馬ロデリックオコナー(父ガリレオ×母父デインヒル)

・フランス1000ギニー
勝ち馬ゴールデンライラック(父ガリレオ×母父デインヒル)


みんなガリレオ×デインヒルだった。マイルはデインヒル直子のデインヒルダンサーの牙城。それがガリレオに席巻される異常事態。それだけ、母系に入ったデインヒルの活力が強いということになる。バックパサーの味付けでこうも変わるものか。

ロデリックオコナーの祖母の兄がイギリスの競馬史に残るステイヤーGildorunがいるように、母系はステイヤー血統るそれを1代だけでマイラーにするんだから、デインヒルの与える影響は相当大きい。

ガリレオは母アーバンシーの母系がドイツ血統。サドラー×ドイツ血統による傑作だった。そこにデインヒルで今大爆発中。

で、今回のデインドリームも、父の母がドイツ血統。そして母父がデインヒル。前述のガリレオに近い雰囲気を感じる。
1頭でロミタスの持つ鈍重さを打ち消すんだから大したもの。デインヒル×ドイツ血統×ニジンスキーがこの高速馬場に対応できるということは、今後マイル路線の高速化が進むにつれ、母父デインヒルの活躍が目立つだろうということ。サドラーズウェルズ×デインヒルがマイルで平気で1分33秒台を出す時代が来てる。

問題はサドラー×デインヒルが流行れば流行るほどノーザンダンサーの血の割合が濃くなっていくこと。ドイツ血統が隆盛を迎えているのは、その配合に頑強さとスピード勝負への対応力を加えているからだろう。


デインドリームが次ヨーロッパにやってくるようだけど、東京2400はランドが勝ったりエイシンフラッシュが勝ったりと、ドイツ血統の相性がいい舞台。いくら父ロミタスといえど、ズルムーとデインヒル持ってたら買わざるを得ない。人気なんだろうな…


そんな感じで長々と書いてきたわけですが、今後ヨーロッパの軸になるのは父ガリレオなどのノーザンダンサー×母父デインヒル×牝系ドイツ血統なんだろうなと。そこにキングスベストあたりが付けられれば、最高傑作が出てくる気がしてならない。

日本でこんな配合やったら未勝利突破に苦労するんだろうけどw


あと、サンデー系はどんどんヨーロッパ、特にフランスに輸出するべき。サンライズペガサスをフランスに輸出させる会でも作ろうかと思うw


次回、16回目は15回目に予定してたジョーカプチーノをたぶんやります。たぶん。
posted by ふみお。 at 04:33| Comment(2) | 海外所属馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。毎回ブログを見させてもらってます。とても面白いし、参考になります!出来ればウオッカの血統を解説して欲しいです!
マイラーだと思ってたのに5歳で2400勝っちゃうし、繁殖で良い馬が出るのかどうかとか。宜しくお願いします!
Posted by 小枝 at 2011年11月28日 21:37
ありがとうございます。中途半端な内容に終始することが多いですが、これからもよろしくお願いしますw

ウオッカですね。なかなかあれは血統の例外ですので難しいですが、了解です。ウオッカの繁殖成績まで血統で予測する回を設けます。

1回書くのに2時間近い時間を要するので、今しばらくお待ちくださいw
Posted by ワタル at 2011年11月29日 10:51
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。